IPv6ネットワークに近々配置されるSMTPのBCP
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コンテンツ
- エグゼクティブサマリー
- IPv6のバックグラウンド
- IPv6によって導入されるアンチ不正使用メッセージングの複雑性
- 現在のIPv4 MTAポリシーを今後のネットワークに適用する試み
- 業界の行動を求める声
- 結論
- 参考文献
エグゼクティブサマリー
未割り当てのIPv4アドレスの空きが枯渇状態に近づくにつれ、IPv6の展開は固定回線オペレータや企業にとって重要度がさらに高くなります。IPv6がアンチ不正使用メカニズムにどのように影響を与えるかについて、メッセージング業界の理解は高まりつつありますが、IPv6接続、それに関連する変遷、そして翻訳技術がもたらすリスクについての認識をさらに深める必要があります。
IPv6は、限られたIPv4空間の問題を解決しますが、実行可能なメッセージングサーバポリシー内でセキュリティの脆弱性をもたらす可能性が高くなることもあります。 IPv6 はいくつかのディメンションでネットワーク攻撃の脅威対象となる領域を拡張します。また、メッセージングインフラについては、IPv6は既存のIPv4使用可能なメッセージングインフラ上で膨大な量の脅威が発生する可能性を増大させます。 本論文では、IPv6の潜在脅威を特定し、既存のIPv4 ベースのメッセージングセキュリティソリューションを検証、IPv6への適用を評価するとともに、開かれた、そして業界がサポーする形で、推奨される脅威対応方法を提示します。
本論文は、自社ネットワーク内でIPv6インフラ展開を担当するメッセージングの専門家を対象にしています。本論文を読むことで、読者はIPv6展開がメッセージングインフラに影響を及ぼす可能性のある脅威を理解し、使用するメッセージングサービスが不要なリスクや大きな資本投資につながらないように、必要なメッセージング機能をサポートするマネジメントができる合理的な展開方法を検討できるようになります。
メッセージングセキュリティコミュニティには、IPv6使用可能な世界で進化しつづけるメッセージングセキュリティをサポートするような新しいテクノロジーおよび基準の確立が必要です。業界のリーダーシップがない中では、ネットワークメッセージングインフラが断片化され不正アクセスに対して脆弱性があるような、その場かぎりの解決方法が生まれることになります。
IPv6のバックグラウンド
botに感染したPCとリンクされる可能性が高いIPv4ネットワークはケーブルまたはDSLモデムを使用した住宅および小規模オフィスや自宅オフィスのネットワークです。これらのネットワークには通常、1つのパブリックIPv4(32ビット)アドレスが割り当てられ、このネットワーク内の感染PCはそのアドレスからのみメッセージの送信ができます。このPCから送信されたものは分離させ追跡することができるので、メッセージングサーバを受け取ることで、乱用防止制御ができます。
境界線ネットワークデバイスがサービスプロバイダにに再接続し、DBCPリースをリフレッシュしていても、多くの場合、有効期限切れのDBCPリース回数が原因でネットワークがフレッシュIPアドレスを受け取ることにはなりません。この環境をIPv6ロールアウトと比較すると、ほんとんどのサービスプロバイダは、通常/56~/64範囲のプレフィックスサイズで大規模なIPv6ネットワーク空間(128ビット)を各顧客団体に配分しています。PCがこれらのネットワーク内の1つの中で障害を受けている場合、そのネットワークの膨大な範囲の割当IPv6でIPアドレスからトラフィックを特定できます。IP集束のレピュテ―ションシステムはIPv4の世界では標準となるので、この高周波数IPアドレスホッピング動作で、botが未検出のままになり、IPv6に移行後にその負のレピュテ―ションを与えてしまいます。
この問題がどのくらいの規模になるかを見るために、その範囲内の各IPv6アドレスからメッセージ1つを送信するところで、シングル/64カスタムネットワーク範囲を活用して、スパム攻撃を起動できます。これは、スパム発信者が割り当てられたネットワークブロック内部からシングルIPアドレスを再利用しないで、膨大なスパムを送信できることを意味します。送信IPアドレスが常に回転している場合でも、その攻撃者はまだ、理論的にはその/64ネットワーク内で同じIPアドレスから送信する必要もなく、一年中複数回、毎秒5億8,000万件のメッセージを送信できます。さらに、リトレーニングブラックリストは現在のIPv4のIPごとのブラックリストと類似しスタートは好調である可能性がありますが、長期的にはIPv6までスケールアップすることはできません。
IPv6によって導入されるアンチ不正使用メッセージングの複雑性
今日広い範囲で展開しているIPv4メッセージングエコシステムで、効果的で一般展開した不正アクセス防止機構の多くは、接続やメッセージ送信の元となるIPアドレスの評価に依存しています。これら機構には以下のようなものがあります。
- リバースDNS検証(rDNS)
- リアルタイムDNSブロックリスト(DNSBL)チェック
- クラス・オブ・サービス(CoS)をベースとした帯域スロットル
- センダー・ポリシー・フレームワーク(SPF)評価
- 送信者ID評価
- 手動ホワイトリスティング
- IPアドレス修復
- その他協力的レビュテ―ションシステム
これらの一般機構には、メッセージ配信の元のIPアドレスをポリシー(SPF、送信者ID)または既知の良好、疑わしいおよび不良アドレスのデータベースと照合が含まれます。
これらの不正アクセス防止技術の多くは、使用可能なアドレス空間が膨大なため、IPv6への移行全般でかなり、障害が発生します。例えば:
- サービスプロバイダの多くは、その対応に必要なメモリとディスクリソースを考え、MTA rDNSチェックの要件であるダイナミックアドレス空間用のリバースDNS記録に対応しない移行を宣言しています。これは、Sendmail等、ユビキタスメール伝送(MTA)を含む、シンプルセキュリティ機能としてrDNSチェックを利用する多数のシステムとインターフェースします。
- DNSELサービスを行うDNSサーバは、IPv6では、明確なリソース、キャッシュおよびパフォーマンスペナルティとあわせて、IPv4で必要となる以上の大規模なデータセットを蓄積し対応することが必要になります。この圧力の一部からでも解放され、このデータセット内でネットワークアグレゲ-ションを行う方法案はほとんどなく、あってもごく初歩的なものです。1つのIPアドレスという考えにおいては、かなり改善が必要ですが、ネットワークアグレゲ-ションスキームを考えた場合でもDNSがスケールしないことは可能です。
- 今日、トラフィックシェーピングソリューションは、送信者のIPv4アドレスへのアクセス回数が比較的少なくなること、および帯域または接続シェーピングによる各IPアドレスから受ける可能性のある損害を制限しようとすることに依存しています。これらのソリューションは、攻撃者が膨大なソースIPアドレスのセット上でメッセージ配信を行いはじめると、効果はなくなります。
- レピュテ―ションサービスまたはIPアドレス修復レポートを提供するデータマイニングサービスは、膨大な範囲からのシンプルメール転送プロトコル(SMTP)に関するデータを受け取りはじめますが、そのほとんどは悪質なものです。アドレス割付には基準が提起されているわけではないので、この情報の結合は難しいものです。IETFは一般的なIPv6ブロック割付サイズを標準化しようとしましたが、その役割を最近撤回し、「アドレス空間がどのくらいエンドサイトを割り当てているのかの正確な把握は運用コミュニティ自体の問題である」と述べています。"(1)ブロック割付サイズには標準化もガイドラインもないため、サービスプロバイダがそれぞれ、適切と判断するネットワーク割付を自由に再分割しています。サービスプロバイダがどの割付ポリシーを実行するかを正確に示すことができる基準がなく、データマイニングサービスには、IPv6アドレスを結合するための信頼できる情報がありません。この結果、IPv6アドレスが保守的に結合することでセキュリティレベルが落ちたり、IPv6アドレスの結合がアグレシブになることで、偽陽性になったりします。
- SPFおよび送信者IDは、問題なく移行を行うのに最適な位置にあります。ただし、他の不正アクセス防止機構あるいは将来登場する同等のものに対して信頼し続けられるかの必要性を回避するだけ技術的に安全性が十分なわけではありません。
- DomainKeys Identified Mail (DKIM)またはその他ポストSMTPプロトコルメッセージ属性に依存するレピュテ―ションシステムは技術的には興味深いですが、実用面では、現在展開されているIPアドレスベースのソリューションにはたいした利点はありません。例えば、MTAを受け取ってDKIM署名を有効にする場合、メッセージはまず、DKIMヘッダが認証される前に完全承認が必要なので、帯域やMTA計算リソースが無駄になり、メッセージがレピュテ―ションルックアップに基づく信用できないソースから発信されていることに気づくだけです。SMTPプロトコルには、データフェーズでMTAを受信中にメッセージを妨害する規定はありません。送信者が残りのデータ部分の伝送を停止する唯一の方法は、送信エージェントが一時的な問題に直面し、メッセージを再送列に入れることになる接続先を外すことです。その結果、同じメッセージ配信サイクルは数分後にはじまることになります。
共存・遷移テクノロジーとそれが不正使用に与える影響
大規模NAT(LSN、以前はと呼ばれていた)、Dual-Stack Lite (DS Lite)、インクレメンタル・キャリヤ・グレードNAT (CGN)、6to4 ゲートウェイ、6rdゲートウェイ、6in4トンネリング、 Teredoリレー等、IPv4-to-IPv6移行をサポートする技術は無数にあります。これら技術の中には有効的に活用されているものもあれば、実験段階のものもあります。これらに共通した課題は、さまざまな形態のトンネリングやアドレス移行レイヤがあげられます。
これらの機構には、メッセージ配信を要求するエージェントの実際のIPアドレスを、ある程度、隠すものもあります。受取MTAがこれらのレイヤの1つを送信者が通過したレピュテ―ションを追跡する方法を理解することが難しいか、不可能としているものもあります。この不明化が原因で、現在の多くのIPアドレスベースのセキュリティ機構が、IPアドレスが半スタティック状態、または各SMTP送信者の独自識別子の上で特定されるため、効果的に機能できなくなっています。パケット内のIPアドレスが変換レイヤ、トンネルまたはゲートウェイと交換された場合、個別ソースでの正確な対応力は阻害されます。以下のセクションでは、これら移行技術のうち3つに関して考えられる課題について記載しています。
Dual-Stack Lite(DS Lite)の潜在的な問題
Dual-Stack Lite (DS Lite)により、サービスプロバイダは、加入者宅内機器(CPE)とサービスプロバイダのネットワークの間のIPv6唯一のコネクティビティで、新規顧客を展開できます。DS Liteの長所は、サービスプロバイダはCPEレイヤにIPv6アドレスを提供することだけは必要ですが、ネイティブIPv6またはデュアルスタックアドレッシングに対応していない旧式コンピュータやデバイスをまだ使用している顧客環境に対応することです。DS Liteを使用することで、RFC 1918アドレスでDHCPを経由して局所的に対応するIPv4のみ対応の旧式デバイスが顧客ネットワークのエッジで、DS Lite適合のCPEデバイスから、インターネットに接続できます。このルーターはIPv4パケットをIPv6パケット内にカプセル化し、IPv6サービスプロバイダの内部ネットワークからLSNレイヤに転送します。次に、LSNは、元のIPv4パケットを取り出し、局所的にプロビジョニングされたパブリックIPv4アドレスからIPv4インターネットにNAT接続できます。その結果生成されるパケットは現在、パブリックインターネット上にあり、LSNに属するIPv4ソースアドレスを持つことになります。このパケットはその後、ダウンストリームIPv4ネットワークが、宛先のリモートIPv4サービスにルーティングします。この場合、このDS Lite有効ネットワークから発生したIPv4 SMTPトラフィックはすべて、シングル共有外部アドレスからそのサービスプロバイダのLSNデバイスに到着したようにみえます。
図 1
Dual Stack Liteはユーザーと大規模NAT間のIPv6上のIPv4パケットのトンネリング
そのようなトラフィックを受け取るオフネットワークSMTPサーバは、トラフィックの実際のソースを正確に確認することはできず、その代り、LSNの外部IPv4アドレス上のレピュテ―ションを追跡します。リモートSMTPサーバにはNATデバイスのようにIPアドレスを検出する信頼できる機構がないため、IPアドレスがシングルIPv4ホストを表すものと誤認することがあります。botアクティビティが、LSNから発信スパムトラフィックにつながるサービスプロバイダネットワーク内に十分ある場合、LSNの外部IPv4アドレスは、リモートMTAにスロットルまたはブロックされる確率が高くなります。このLSNシングルIPアドレスを通過する後ろにある悪質botは同じLSN外部インターフェースを使用してこのトラフィックに偶然ルーティングしてくる無関係な顧客の信用に害が及ぶことになり、特定リモートサービスへのサービスを拒否することになります。この状況は、今日トラフィックが大容量のNATデバイスを通過するモバイルユーザーがすでに経験しています。ここでは、1基の動作が悪質なモバイルデバイスによって、他の多くの正当なモバイルユーザーのリモートサービスへのアクセスが影響を受けることになります。
さらに、不正アクセス対応が万が一、法執行に及ぶ場合、元のIPアドレスの不明化が、各種変換およびトンネリングレイヤを明確にして不正の本当のソースを取得する必要があるため、調査が実際、かなり複雑になります。この結果、それらを通過するトラフィックについて記録することが必要になるので、これらのレイヤを運用するエージェントには負担がかかります。そのようなロギングをしないで、不正アクセスを追跡してソースを確認することはほとんど不可能になりました。サービスプロバイダがLSNレイヤを通過するデータにどのようにロギングするかを説明した一般的な初期のベストプラクティス(2)は、まだ実行は断片的であるものに、IETF内で現在、議論が行われています。
増分CGNの潜在的な問題
インクレメンタルCGNは、機能はDS Liteに似ていますが、各CFEデバイスがIPv6ではなくIPv4を使用して、サービスプロバイダネットワーク上で通信する点は異なります。顧客ネットワーク内のコンピュータシステムから発生したIPv6トラフィックはどれも、IPv4パケットないでカプセル化され、LSNデバイスに転送されて、最終宛先に配信される前にカプセルが解除されます。顧客ネットワーク内のコンピュータシステムから発生したIPv4トラフィックについては、トラフィックはLSNデバイスに方向づけられ、NAT44変換され、接続元のソースアドレスが効果的に隠されます。リモートSMTPサーバのクロスNAT可視化のあるDS Liteに関する同じ課題がここでも適用され、リモートMTAがポリシーを有効にして、巻き添え被害を及ぼさずに、別のオペレータのLSNデバイス後ろで発生したトラフィックからの不正アクセスを効果的に制限できます。
6to4の潜在的な問題
今日インターネット上でパブリックルーティングするダイナミックまたはスタティックIPv6アドレスが/48 IPv6ネットワーク範囲を自動請求できる6to4等の別のソリューションを考えると、今日のIPv4メッセージングエコシステムの雪靴(3)問題が、個別のIPアドレスのレピュテ―ションを追跡するシステムにとってかなり大きな問題になります。6to4が有効なネットワークはすべて、現在、botがその/48以内の多くの独自IPアドレスから大量のスパムを送信する可能性があります。
6rdの潜在的な問題
6to4ゲートウェイがスタティック定義したネットワークプレフィックスにより特定しやすい一方、6rd(rapid deployument)ゲートウェイはそうではありません。6rdサービスを提供するネットワークオペレータは、IPv6ネットワークプレフィックスをこのゲートウェイに割り当てることができます。その結果、リモートMTAが、シングル6rdゲートウェイを通過するときにそのゲートウェイから発生shちあトラフィックを簡単に特定するのを防止します。ターゲットMTAが、この情報が公開アクセス可能な方法でパブリッシュされていないので、レピュテ―ションをアグレゲートするために正しいネットワークプレフィックス長を理解する機構はありません。
ドメイン評価はIP評価の直接代替物ではない
ほとんどの大型メッセージングシステムが。IPレピュテ―ションサービスリスティングまたはローカル動作履歴データにより今日、IPv4接続すべてのうち805~95%拒否することを考えると、接続レベルのMTAポリシーは、比較的低リソースコストでもっとも酷い大量の送信者からかなり保護できます。対象となる送信者に対してメッセージを認証するのに必要なデジタル署名がメッセージヘッダ内に含まれるDKIM等の認証ソリューションを活用するドメインレピュテ―ションテクノロジーには、送信者の認証ができる前に、SMTPプロトコルのデータフェーズからMTAで各メッセージを受け取ることが必要です。その後、DNSルックアップ、署名済みメッセージ変だおよび本文欄に対するDKIM署名の暗号ハッシイング等を含む、DKIMヘッダの追加分析が必要になります。この認証プロセスの実施には、かなりの数のMTAおよびネットワークリソースが接続を承認し、メッセージを受け取る必要があります。一般的に重いメッセージの承認機能(LDAPに対するRCPT TOの評価、ASおよびAVエンジンの実行等)のいくつかがDKIM情報を評価するまで遅延する場合でも、このプロセスは、IPレピュテ―ションに依存して早期の接続許可/拒否決定をするよりも、MTAに対する負荷が増えます。この結果、メッセージングプラットフォームのインフラコストがかさむことになります。
送信者の認証では、ドメインと関連した署名MTAがメッセージを取り扱っていること、およびローカルMTAで受け取った、その結果発生したメッセージが記載の署名の評価に合格していることを確認します。認証済み送信ドメインに基づくドメインレピュテ―ションは追跡するデータに役立ち、IPアドレスベースのレピュテ―ションソリューションの代わりにIPv6が有効なメールサーバ上のドメインレピュテ―ションだけに依存することは、不正アクセストラフィックの拡大に対応するためにさらに多くのMTAおよびネットワーク空間が必要になります(2010年最後の異常な数ヵ月は除く)。
ドメインレピュテ―ションおよびDKIMは不正アクセス報告、各種正当なマーケティング目的の送信者の送信動作のアカウンティング、フィッシング防止(ADSPおよびその継承者とあわせて)、およびメッセージのソースの追加保障が必要なソースからのトラフィックの取り扱いに便利です。MTAシステムを接続レベルで迷惑送信者から保護するには、他のソリューションが必要です。
現在のIPv4 MTAポリシーを今後のネットワークに適用する試み
現在のIPv4展開では、IPレピュテ―ションに基づく接続管理は、防衛の第一線であり、膨大な量のスパムおよびその他悪質トラフィックからメッセージングインフラを保護するもっともリソース効果的な方法です。このアプローチによって、オペレータは、接続拒否、帯域形成、接続づじせい制限、(再)接続率制限、およびRCPT TO制限等、各自のインフラに対してさまざまなCoSを展開できます。メッセージングシステムオペレータは着信環境をIPv6 SMTP接続に解放することを考えるため、ネットワーク空間がさらに膨大になることで、考える課題もさらに増えます。提案の中には、承認された送信者のみIPv6上で着信MTAに接続できる、ホワイトリストまたは「許可」リストを推奨するものがあります。シングルIPアドレスブラックリスティングを継続することでメッセージング脅威に十分対応できるとするものもいます。以下のセクションはこれらの案について説明しています。
許容リストのIPv6への適用
はじめに、許可リストに記載された送信者を考えます。シンプルポリシーでは、そのIPアドレスを着信メッセージングサーバに接続することができます。ただし、CoSファシリティへの接続には、追加ポリシーを適用できます。ここでの最初の課題は、IPv6アドレスにローカルパートがあり、そのため、フルアドレス以下のアグレゲ-ションレベルが必要なことがあるということです。受取MTAとして、信頼できる接続IPアドレスの正しいアグレゲ-ションサイズをどこで、探すことができますか? 自然な傾向として、最小サブネット割付を表す/64レベルでアグレゲートすることです。しかし、これでも、今日の技術では、かなり技術的実装課題があります。
2番目に、許可リストに記載されていない送信者を考えます。この送信者に関しては情報がまったくなく、選択は簡単です。接続を承認しないでください。この例で想定される動作は、送信者が、AAAA記録を表す、各種のパブリッシュされたMX記録からロールし、接続をブロックされ、次にA記録を表すMX記録に接続しようとフォールバックしてくることです。この結果、複数回繰り返される同じメッセージ配信を拒否するため、受信者ネットワークおよび境界線MTAゲートウェイの負荷が増えることになります。フォールバックはIPv4接続上でメッセージを配信しようとすることです。この時点では、現在のメッセージング状態に戻ります。IPv6ポリシーを適用しようと、リソースをある程度消耗することになります。これは、デフォルトの拒否+許可リストが広く使用されている既存のメッセージングインフラと比べ、何も完了していないのに、リソースがある程度枯渇することを意味します。
許可リストに記載のない送信者の派生効果は、顧客サポート回数が増えることにもなります。パブリッシュされたMX記録から循環する中で拒否される送信MTAは、受信IPv6 MX記録が公開情報なので、オペレータに警告をを出すか、またはメッセージングインフラが受信オペレータのサポートラインに拒否理由を理解するよう要求するローカル送信ポリシーを発することがあります。これに対する答えは簡単です。その情報を接続MTAに応答コードでパブリッシュすることです。ただし、この方法はサポートの課題を拡大することになるだけです。
許可リストは、企業がヨーロッパ、中国やニュージーランドが同社ネットワーク内へのメッセージ送信を拒否されたとして告訴された2005年のVerizonが直面した問題等、差別ポリシーによる法的な問題にもなります。結果は、かなりの顧客からの反感やクラスアクション訴訟となります。この先例は、法務部から許可ポリシーを押しだすメッセージング管理者にとっての課題となります。
許可リストに記載するだけの信用を十分確立するのは、送信者の資格であることは別に考える必要があリます。Spamhaus(4) は現在、取引に関するメッセージのみ送信するIPアドレスに制限されているホワイトリストを提供しています。IPアドレスは、商業取引メッセージ等、他のタイプのメッセージには使用しないというのが条件です。全般的にインターネットからのメッセージ承認を担当するオペレータとして見ると、これは、新しい送信者はすべてIPv4インフラに必ずフォールバックネットワークしなければならないため、ネットワークに接続する新しい送信者にとっては差別的な状況を表しています。このような制限付き許可リストでも、許可リストに記載されていない送信者の数は多く、その未記載の送信者はすべてIPv6上で接続できない場合はIPv4配信にフォールバックせざるを得ないため、IPv6による不正アクセスのベクトルに対応することはほとんどありません。実際これは、そのネットワークのかつてbot送信者に接続しようとする送信者の大半は、IPv6ソースから大量に送信しはじめることになります。
ブロックリストのIPv6への適用
スパムのソースを追跡するブラックリスト(ポリシーブロックリストタイプサービスは除く)は、何百万から何千万というPIv4アドレスの動作を追跡、およびそのリストを生成する必要があリます。今日のIPv4メッセージング不正アクセスの背景では、スパム発信者が256IPアドレス(8ビット)およびそれ以上のブロックをコントロールしているのは比較的よく見受けることです。IPv6の展開範囲とサイズが拡大する中で、トラフィックを生成するのに使用する可能性のあるIPアドレスの数は爆発的に増えるでしょう。ほとんどのリスティングがシングルIPアドレスである精度において不良送信者の追跡およびリスティングを信じているサービスでは、この考え方はIPv6には適切に当てまはるものではありません。第一の懸念事項は、IPv6ソースからレピュテ―ション情報を収集、計算および利用することができるかどうかということです。というのは同ソースの多くは1つ以上のメッセージを送信することがないからです。
もっと正常なアプローチとしては、小さなネットワークのIPv6スパムソースで、そのネットワークのネットワークプレフィックスサイズごとに追跡を有効にすることです。このタイプの機能のコアエレメントには、所定のリモートネットワークのプレフィックスサイズは大量で低レ―テンシ―ルックアップに対応できるシステムにパブリックアクセスできることです。今日そのような案はから出ているもののみです。ネットワークオーナーは各ネットワーク範囲の副次割付サイズに対応した新しいWHOISデータエレメントを自主的にパブリッシュする必要があります。これはネットワークオーナーにこれらの記録を適切な状態に維持することを求めていることから初の良案ですが、データの品質はネットワークオーナーのデリジェンすおよび技術理解力に相応した程度となります。また、この情報はWHOISにパブリッシュされるため、WHOISシステムは大量の照会のサポート向けに構築されておらず、一般的にソースIPごとにスロットルするように構築されていることから、MTAポリシーの実装が課題となります。Cloudmarkでは、IETFレベルでこの機能を追加する作業に直接関与するよう努めていますが、作業はまだはじまったばかりで、これらが改善される見通しはまだ何年も先です。
IPv6接続型SMTPサーバの慎重な展開
大規模なメッセージング環境にIPv6が有効なSMTPを導入することで、攻撃者が膨大なIPアドレス空間から攻撃するソースを与えることになり、また今日の効果的なメッセージングサーバの不正アクセス防止ポリシーを回避する方法を活用することで、不正アクセスが増加する可能性があります。各種のIPv6移行および変換テクノロジーの結果として送信者不明にする方法を前述しましたが、その前提で考えると、IPv6ネットワーク上でSMTPトラフィックを最初に承認について、最大送信者動作監視機能およびMTAポリシーコントロールが可能になる環境では制限を設けることが、メッセージングシステムのセキュリティを継続して確保するために重要になります。さらに、これらの環境内では、MTAポリシーが一貫したデータを基に一定期間、送信者の動作の追跡が可能で、正当な送信者が巻き添えで被る損害を最小限に抑え、効果的な不正アクセス防止ポリシーの施行を有効にしなければなりません。
以下の環境のそれぞれでは、メッセージングシステムオペレータが、核送信者と関連した追跡可能データ、つまり、認証済みSMTPサーバの起動中に提供される既知のプレフィックス長および/または認証済みユーザー名の大きな割付済み商用または一般家庭ネットワーク内に含まれるIPv6ソースアドレスに関して最大の管理権を持っています。
ネットワーク上、未認証送信者のみにアクセス可能な発信SMTPサーバ
- 接続はすべて、ローカル管理のネットワーク団体(既知のIPv6プレフィックス長の商用または一般家庭用ネットワーク)をソースとしている
- MTA不正アクセス防止ポリシーカウンタは、個別のソースIPアドレスではなく、各ネットワークソースと関連した適切なIPv6ネットワークごとに送信者レピュテ―ションを追跡できるように構成が必要です。
ネットワーク上、SMTP認証送信者のみからアクセス可能な発信SMTPサーバ
- 接続はすべて、ローカル管理のネットワーク団体(既知のIPv6プレフィックス長の商用または一般家庭用ネットワーク)をソースとしている
- すべてのSMTPセッションは、既知の認証済みユーザー名で追跡できます。
- MTA不正アクセス防止ポリシーカウンタは、認証済みSMTPユーザーID(可能な場合はISP親アカウントにロールアップされる)ごとに、および接続を起動した適切なIPv6ネットワークごとに送信者動作を追跡できるように構成が必要です。
まとめて送信者を追跡
今日のIPv4一般家庭用ネットワークには一般的に、シングルまたはスタティックIPv4アドレスが付いています。既存のIPv4環境内でのメッセージングシステムの多くは今日、個別IPアドレス別、または認証済みSMTPユーザー名別に送信者動作を追跡しますが、スケーラブルに送信者IPv6レピュテ―ションを追跡するには、新しいMTAポリシー機能が必要です。
各一般家庭用ネットワークに関連した見込みソースIPアドレスの数は、IPベースの送信者レピュテ―ション機構を考えると、今日のIPv4環境での管理可能状態からIPv6での管理不能状態にまで到達しています。プライバシーエクステンション(例.RFC 4941 対RFC 2464に記載のスタティックアドレスフォーマット)、これらの現在ではさらに規模の大きい顧客ネットワーク範囲およびアドレス自動構成ランダム方法により、/128アドレスごとの迷惑送信者のレピュテ―ションの追跡が無意味になっています。IPv4一般家庭用ネットワーク内でbotに感染したシステムは、簡単にPC OSを新しいIPアドレスから常に循環できるようにでき、一般家庭用シングル/64ネットワーク内で各IPアドレスからシングルメッセージのみを送信し、個別IPv6アドレスごとにレピュテ―ションを追跡するMTA上でリソースを無駄にすることがあります。
この爆発的に拡大するIPv6アドレスを顧客ネットワークで取り扱うもっとも効果的な方法は、各サブネットを一つの団体として対応し、そのサブネットの全体的なIPv6プレフィックスごとにレピュテ―ション送信を追跡することです。この方法で送信動作をアグレゲートすることで、MTAで管理可能な方法でレピュテ―ションを追跡および適用できます。所定の/56から/64 IPv6範囲内でのIPv6アドレスを起点する接続は、そのソースのサブネットの既知IPv6プレフィックスと関連します。レピュテ―ションチェックとアップデートはいずれも、観測された送信者動作に基づいてその全体的なネットワークプレフィックスに対して行う必要があります。DNSベースのブラックリスト問題に対するソリューションは複雑なものですが、必ず存在します。そのような案の1つは、キャッシュ効率のよいアグレゲ-ションを可能にするもので、現在、IETF内で使用されています。
IPv6プレフィックス長によるCoS(Class of Service Policy)の適用
個別IPv6ネットワーク団体の送信履歴を編集した後、MTAは既知のIPv6プレフィックスを起点とする関連IPアドレスに対するクラスタ全体のクラス・オブ・サービス(CoS)抑制を行う必要があります。MTAポリシーは、所定のCoSクラスエントリ基準に適合する観測された動作に基づいて所定のCoSに各IPv6ネットワーク団体の割当を最適サポートし、段階的に以下の抑制を適用します。
- 同時接続制限
- SMTPプロトコルコマンド“tarpit”待機期間(およびパイプライニングサポートの無効を保証)
- メッセージごとのRCPT TO制限
- 帯域制限
- 接続ごとのメッセージ制限(メールで-タ終了別に計上、例."<CRLF>.<CRLF>")
- 接続ごとのSMTPプロトコルエラー制限(無効コマンド、RCPT TO等)
- x秒ごとのメッセージ制限
- x秒ごとの受取人制限
- y時間ごとのメッセージ制限
- y時間ごとの受取人制限
- 接続やり直し規定待機時間
良質トラフィックの割合が多い送信履歴のあるIPv6送信団体については、これらの送信者にはより高い制限を許可する良質送信者CoSを割り当てられます。良質および不良トラフィックが混ざった送信を観察された送信者については、これらの送信者には送信動作をかなり制限されるCoSが割り当てられます。良質ではないトラフィック送信を観察された送信者については、これらの送信者にはメッセージ配信をほぼ完全停止するCoSが割り当てられます。
事前履歴がない送信者からの他の接続すべてについては、これらの送信者には、そのIPv6ネットワークプレフィックスから発信したその後のトラフィックが確認する、MTAが新しい送信者動作を確認する機会があるまで、メッセージ配信を限定する非常に厳しいCoSが割り当てられます。MTAポリシーは所定期間、いくつかの例のコンテンツを受信し、実際のメッセージを承認せずに、送信者の正当性を分類することを目的に、そのコンテンツをスキャンするためだけにSMTP 4xxの一時的に故障を戻すことがあります。
制御不能な環境におけるIPv4限定サーバーの維持
近い将来、IPv4アクティビティのみの無制限インターネットに接続されたSMTPサービスは防御しやすくなるでしょう。IPv4 SMTPと同様の方法で防御しやすいIPv6 SMTPサービスについては、レピュテ―ションテクノロジーは、レピュテ―ションポリシーの広いインターネットからの接続に正確に適用できるように、基本となる各種インターネットのコアシステムにアップデートする必要があります。
はじめに、IPv6プレフィックスごとに送信者を追跡することで、レピュテ―ションアグレゲ-ションを行うには、メッセージングシステムが特定のIPアドレスが接続しようとしている所定のリモートネットワークについて、プレフィックス長の照会ができることが必要です。現在、所定のIPv6アドレスのプレフィックス長がその属するアドレスのネットワークと関連づけるための大量で低レ―テンシ―ルックアップを実行できるパブリック機構で信頼できるものがありません。また、今日MTAシステムの多くがリバースDNSを活用してポリシー判断を行っていますが、ネットワークオペレータの多くは顧客IPv6割付用にスケーラブルにIPv6P PTR記録を行う方法の検討に必死になり、MTAが信頼できないDNSからデータを引き出そうとしています。
レピュテ―ションを正確に追跡するか、またはDNS経由のIPv6ホスト接続に関するいくつかの情報を引き出す機構の代わりに、IPv4ネットワークインターフェースのみの他のSMTPシステムすべてを構成して、攻撃領域と不正アクセスの可能性に制限をかけることがもっとも安全です。
- 適切な不正アクセス防止策と判明したため、RFC974とRFC5321等いくつかの電子メールRFCで確率された標準手順があるにもかかわらず、オフネットワークSMTPソースからアクセス可能な、外部MX記録に記載された着信SMTPサーバ。
- オフネットワーク、SMTP認証ユーザーがアクセスした発信SMTPサーバ。
- オフネットワークのウェブメールユーザー(暗示的に認証済み)がアクセスした発信SMTPサーバ。
オペレータ間メッセージングトラフィックのすべての配信は、従来型の正当な送信者アナウンスメントと認証機構を使用して、IPv4ネットワークリンクを通過します。
業界の行動を求める声
IPv6が原因で発生可能性のある脅威は、IPv4で使用した既存のメッセージング不正防止技術の考課に陰りを投げかけています。新たなベストプラクティスおよび技術を確立および準拠することで、これらの拡大攻撃ベクトルを和らげることが必要です。業界が参加することなしで、SMTPトランザクション内で早期に既知の不良ソースの制限または拒否を実現し、所定のIPを個別にレート制限し、または所定のIPから配信される接続を制限することは容易ではないでしょう。その解決には、CoSブロック割付の標準化またはパブリッシュが必要となるでしょう。
IPv6は、IETF (Internet Engineering Task Force) および APNIC (Asia Pacific Network Information Center) から NANOG (North American Network Operators Group)、MAAWG (Messaging Anti-Abuse Working Group)まで業界フォーラムの多くで、議論のテーマとなってきました。今日まで、割付および割当の議論がAPNIC会合で行われてきましたが、その議論ではIPv6空間の割当および割付が中心テーマでした。NANOGでは、運用展開の話題が中心となり、MAAWGでは、業界自体がメッセージングセキュリティに焦点を絞ってきましたため、メッセージングインフラでのIPv6の展開が議論されました。しかし、IPv6展開によるメッセージングインフラへの実際の脅威を中心にする必要があります。
IPアドレスレベルポリシーを取り除かれた大容量のIPv4ベースのメッセージング環境に対する影響を考えてみてください。ネットワーク接続は、すべてのネットワークリソースを消費しない場合は、重負担なります。すべてのメッセージは分類前に承認が必要です、。クラス・オブ・サービス属性はメッセージが承認された後ではじめて適用されます。つまり、既存のメッセージングインフラは破損ギリギリの負荷がかかり、配信が行き詰まり、顧客満足も得られにくくなります。
メッセージングセキュリティのコミュニティにIPv6が登場したことがまさしくこの課題を表しています。IPv6のレピュテ―ションシステムは、アグレゲートレベルまで上げる必要があります。これにはクラス・オブ・サービスブロック割付に対する標準化または一貫性を引き出す業界内合意また最低でも、IPv6範囲ごとにアグレゲ-ションブロックサイズの包括的で信頼できるパブリッシュが必要です。これで接続時間に適用できるCIDRレベルのレピュテ―ションが促され、メッセージ配信トランザクションの一部からのメッセージ承認は不要になります。
ヨーロッパでは、例えば、 RIPE が最小 /32の IPv6 のアロケーション(7)をローカルインターネットレジストリ (LIR) に割り当て、最小 /64 のサブアロケーション(8) を単一のサブネットを要求する個人および要求の正当化に必要な /48 以上を要求する任意の実体に割り当てています。IPv4 /24 CIDR サブネット (もしくはそれ以上) からのスノーシュー攻撃が日常的であるメッセージングセクターにおいて特に不正使用に対する考慮はほとんど行われてきませんでしたが、スノーシュー攻撃がIPv4 スペース全体 (IPv6 /96 CIDR) から由来する場合にこれがコントロールを超えて爆発する可能性について業界レベルで考慮し対処する必要があります。
IPv6 は APNIC、NONOG、および MAAWG などの業界フォーラムでは議論されてきましたが、そのどれもメッセージング不正使用のため IPv6 を意味づけすることに注目したものではありませんでした。最良の実践を開発し適用することにおける業界のコラボレーションがなければ、一貫して効果的なポリシーは不可能です。
現在、なんらかの有用な情報を含む IPv6 用の DNSBL は存在しません。DNSBL は IPv4 のメールインフラ内のセキュリティポリシーの主要な部分を形成しています。IPv6 アドレスおよび評価の包括リストの管理は集約されることなく、データの多大な増加により支持されなくなっています。第二に、すかすかの DNSBL およびその結果生じる IPv6 アドレスに接続するためのデフォルトのポリシーについて考えてみてください。最も攻撃的な CoS ならその接続を伝ってメッセージを送ることを可能にするでしょう。標準的なアロケーションブロックのサイズであれば単一のアロケーション内由来のインフラへの多くの接続を開くことが可能になり、そしてそれでもなおどの CoS ポリシーもパスするでしょう。
ある形態の公開され、信頼できる集約標準がなければ、IPv6 アドレスが /64 よりも大きなアロケーションに属しているのかどうか決定する方法がないため、特定の CIDR ブロックに接続制限を適用する合理的な方法はありません。未知の接続しようとする IP アドレスの評価が最も近い既知の隣接と連関しているという最近傍法による評価の割り当てに関する議論は行われてきましたが、このポリシーは基本的に推測作業であり、不適当な評価につながり、その結果生じるサービスの影響はサポートコストを増大させるでしょう。IPv6 アドレスへの接続が、評価が適用可能な適切なアロケーション範囲に量子化可能になるようにこの情報を提供できるよう既存のシステムを拡張すべきです。
オペレーターが IPv6 を展開しようと急ぐにつれ、IPv6 のインフラ上の全てのサービスをサポートしようとする自然な圧力が生じます。現在のトレンドはネットワーク内のエンドポイントに二重重ねの意味づけを展開し IPv4/6 間の相互運用性を確実にすることです。このことは当分は全てのエンドポイントが IPv4 機能を持つことを意味します。IPv6 上でメッセージングセキュリティポリシーの適切な計画やテストをすることなくメッセージングサービスの展開を急ぐことは、キャリヤーネットワークを不必要なリスクにさらすことになります。運営上の展開問題に焦点を当てるよりも、業界はメッセージングに対する潜在的な脅威を認識し、その知識に基づいた IPv6 の展開を注意深く行う必要が喫緊の課題として存在します。業界が標準を定義するのに長く待てば待つほど、ソリューションがそれだけ難しいものになるでしょう。
結論
本論文はメッセージングにおける IPv6 移行の必要性、既存のセキュリティポリシーの試練、および現在の移行テクノロジーによって意味づけられたこれらのポリシーに対する制限について考察してきました。私たちは IPv6 環境下におけるメッセージングの初期のロールアウトおよび IPv6 ワールドにおけるメッセージング業界のアラインメントに関する提言を行ってきました。また、IPv6 ワールドにおけるメッセージングのための最良の実践に関する業界アラインメントのための提言と共に、高水準の脅威解析を提示してきました。
IPv6 を展開する必要性が不可避になるにつれ、全てのサービスを IPv6 へ移行させようとする大きな圧力が生じています。メッセージングのプロフェッショナルはその内部メッセージングシステムを侵害しない合理的な IPv6 移行計画を開発するための IPv6 のセキュリティ上の意味合いについて考えなければなりません。メッセージングのプロフェッショナルはまた、自身の内部メッセージングシステムを侵害することなく必要な機能性を提供するアップグレードのためのロールアウト計画を確立することにより IPv6 の移行を進める必要があります。全てのメッセージングのロールアウト計画はテクノロジーの選択と共に脅威表面の解析を含むべきです。各ポリシーの実行可能性を IPv6のコンテキストの中で調べることができるように、既存のメッセージングセキュリティポリシーの IPv6 インフラへのマッピングは計画プロセスの初期のステップである必要があります。
しかしながら、私たちが IPv4 ネットワークに現在存在するものに対する防御と同様のレベルを可能にしようとすれば、メッセージングインフラにおいて外部の IPv6 ネットワークへメッセージングサービスを導入することはさらなるインターネットの進化を必要とするでしょう。このことは遠隔ネットワークのデフォルトの IPv6 プレフィクスアロケーションサイズを確認する機能を含みます。
メッセージングのプロフェッショナルは内部メッセージングシステムを侵害しない合理的な移行計画を開発するために IPv6 に対するセキュリティ上の意味づけを考える必要があります。さらに、その意味付けはそのインフラ上の任意の移行プランの影響の規模を計る能力がある必要があります。これは IPv6への移行後に同じサービスが提供できるか調べるために IPv4 で利用可能なセキュリティシステムの徹底的な評価を含んでいるべきです。 IPv6下では同様の防御を与えられないエレメントに関しては、環境が十分に進化するまで IPv4 が好ましいインターフェースを維持すべきです。これは計画プロセスにおける決定的で重要な第一歩です。
本論文はメッセージングセキュリティ業界に対してアクションを要求するものです。初期および最良の実践および推奨される最良の実践の採用に関するコンセンサスがなければ、世界中のオペレーターはメッセージングを妨害したりあるいはメッセージングインフラのセキュリティを侵害する個別のポリシーを採用するでしょう。多くの業界団体が過去数年において IPv6 のセッションを開催してきましたが、教育から実践的なセキュリティポリシーの議論へと焦点のシフトが必要です。MAAWG がICANNとの関連でメッセージングセキュリティの勧告を行うべき最良の位置にいると思われます。
IPv6 のメッセージングインフラを展開することは今後数年においてどのオペレーターにも要求されることです。IPv6 に基づくメッセージングインフラを運用する現在の水準の知識では、主要な試練は任意の IPv6 展開決定のセキュリティリスクの意味づけを正確に調べることです。これはセキュリティ解析の一次的な方法が IPv4 メッセージングの脅威の経験を IPv6 インフラに補外することに基づいている環境ではますます複雑になります。しかるがゆえに、メッセージングにおいてIPv6 によって提起された脅威展望の制限つきの視界の現実的な理解が必要ですが、この視界は各オペレーターがその IPv6 展開計画を調べる際に使用されるものです。
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